歯周病・歯槽膿漏・歯肉炎の進行と症状。

歯周病 歯槽膿漏 歯肉炎
歯周病の進行度合いを測る目安として、歯周ポケットの深さがあります。ポケットが3mm以内の場合を歯肉炎と呼び、それ以上の場合を歯周病と呼んでいます。ポケットの深さが増すにつれ歯槽骨の破壊が進み、歯肉が腫れたり、噛んだ時に痛みが出たりする症状が出てきます。末期的状態の場合には、抜歯を余儀なくされます。

歯周病、歯槽膿漏、歯肉炎の進行と症状

軽度歯周病(歯肉炎)の症状

軽度歯肉炎
  • 歯周ポケットが3mm以内で、歯槽骨の破壊が起こっていない状態の場合を歯肉炎と呼び、ほとんどが完治します。
  • 歯肉炎では、プラークや少量の歯石がたまり歯茎に炎症が起こり、赤く腫れたり出血したりする症状が出ます。しかし、痛みが起こる事はなく、歯周病特有の歯が動揺するという症状も起こりません。
    この状態を放置すると、中程度歯周病へと進行していきます。
歯茎に僅かの腫れと出血がある 軽度歯肉炎/レントゲン
歯肉炎の口腔内写真 レントゲン
左の写真は軽度歯周病(歯肉炎)・歯槽膿漏の症例です。
歯茎が赤っぽく炎症を起こしています。
レントゲン写真では歯根を支える歯周組織の破壊が起こっていないのがわかります。
歯周病菌の進入が歯肉部で止まっているからです。

歯肉炎は歯ブラシがうまくできていない小学生高学年くらいの年齢から見られます。
また、矯正治療をしている時、矯正器具により歯ブラシが不十分の場合にもよく見かけます。
歯周ポケットって何
歯と歯茎との間にある溝です。その溝は、歯の全周にわたって存在しています。正常な歯周ポケットは深さが1〜2mm です。歯周ポケット内には歯垢(プラーク)や歯石がたまりやすく、適切なブラッシングがなされなければ、歯周ポケット底部が炎症により破壊され、次第に深くなっていきます。或いは、歯茎が腫れ歯冠側の方に増殖し、歯周ポケットが深くなる場合もあります。(その場合、歯と歯の間の歯肉はぺろんとめくれたような状態になります。)または、その両方が同時に起こって歯周ポケットが深くなり歯周病の進行に繋がっていきます。

中等度歯周病・歯槽膿漏の症状

4mm以上のポケットが形成され歯石の沈着が起こり骨の破壊が進む
  • 歯周ポケットが4mm〜7mmで、骨の破壊(歯の根を支えている骨が溶けている)が起こっている状態。
  • 歯や根っこには、多量の歯垢歯石が付着しています。
  • 歯肉炎に比べ、歯茎の腫れが強く起こる・歯肉から出血する・歯周ポケットから膿が出るといった症状が出てきます。
    しかし、必ずしもこの様な症状が出るとは限らず、気がつかないうちに病状が進行していることがあります。
  • 歯を前後左右に指で押してみると、少し揺れるのが確認できます。
歯肉の腫れが起こりポケットからの出血も認められる 左症例のレントゲン画像
中等度に進行した
歯周病の口腔内写真
レントゲン
左の写真は中等度に進行した症例です。
歯茎が赤っぽく、炎症を起こし腫れています。
レントゲン写真では歯周病菌の歯周組織への進入が進み、骨が溶けているのがわかります。上記歯肉炎のレントゲンと比較してみてください。

重度歯周病・歯槽膿漏の症状

6mm以上のポケットになり骨の破壊が進行しています
  • 歯周ポケットが6mm〜8mm以上で、歯槽骨の破壊がかなり進んでいる状態。
  • 重度歯周病では、歯や根っこには多量の歯垢や歯石が付着し、歯周組織の破壊が相当に進んでいます。そのため歯肉は大きく腫れ上がり、少し歯ブラシをしただけでも出血し、歯周ポケットからは大量の膿が出てくるといった症状が現れます。
  • 支えを失った歯は、前後左右に揺れるばかりではなく、上下にも揺れます。
  • そのため、噛むと痛くて物が噛めないようになってしまいます。
下顎舌側に大量の歯石の沈着が認められる 左症例のレントゲン画像、骨の破壊が相当に進んでいる
重度歯周病症例
下顎舌側に大量の歯石が付着している
レントゲン
左は重度の歯周病の症例です。
歯周病菌の歯周組織への進入が更に進み、骨が溶け歯茎の後退が著しく(歯茎が下がらずに腫れた状態になることもあります)、歯がグラグラの状態になっています。
右側のレントゲン写真の中央の歯は、歯を支える骨が溶けてなくなっています。
ここまで進行すると歯を残すことは不可能で、抜歯を余儀なくされます。

歯周病の進行図

歯周病の進行図
健康な歯の状態から、徐々に歯茎は赤く腫れあがり、そして歯槽骨とともに下がってきます。(左写真のように)
しかし、歯茎が下がらず歯槽骨だけが吸収を受けている場合の方が一般的で、しかも、その方が重症になりやすいです。なぜなら、自覚症状が明確に現れていないので、歯周病を放置してしまいがちだからです。

歯周病とはそれ単体でも恐ろしい病気ですが、その他の様々な全身の病気(心臓病や糖尿病など)を引き起こす原因となることがだんだんわかってきています。

そうならないためにも、普段からの正しいブラッシングと、歯科医院における定期的な検診が大切です。

歯茎が下がるのは何故ですか?

Q&A/question and answer
歯茎が下がって歯が長くなったように見えます。見た目が気になりますが、どうしたらよいのでしょうか。?
1年ほど前から歯周病で治療を受けていました。以前はあまり気にならなかったのですが、最近鏡を見ると、歯が長くなったように見えます。よく見ると歯茎が下がってきているようです。何か対策法はありますか。
解説/explanation
歯茎が下がる原因
@歯周病が進行し、それが治癒した時
Aかみ合わせに異常がある時
B歯ぎしりがある時

歯茎が下がった時の対応
@歯周病になると歯茎が腫れ盛り上がった状態になり、歯は短くなったような印象を受けます。歯周病の治療を受ける事によって腫れた歯茎は引き締まり正常に戻ってきます。

しかし、中等度以上に歯周病が進行した場合には、歯根を支えている歯槽骨が破壊されているため、歯周病の治療によりその分だけ歯茎も下がってきます。実は歯茎が下がることで歯周ポケットが減少し、治療後の歯周組織の安定を得ることが図れるようになるのです。この場合、歯肉を正常な高さに戻すことは歯周ポケット増大させることに繋がってしまうため、何も行わないのが最良でしょう。

A、Bが原因の場合には、原因を除去すると同時に遊離歯肉移植術や歯肉側方移動術と言った外科手術で対応が可能な場合があります。

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